沖ノ鳥島は、東京都小笠原村に属する、北緯20度25分、東経136度04分に位置する日本最南端の島です。
東京都心から南へ約1,700㎞に位置し、船で片道約4日の距離です。小笠原諸島父島からでも約1,000㎞離れています。
緯度はハノイやホノルルと同程度、経度は琵琶湖と同程度です。
島の形状はなす型に近く、東西に約4.5㎞、南北に約1.7㎞、周囲11㎞の卓礁で、礁内の面積は約5.8㎢、東京ドーム107個分もの大きさになります。
礁内には、満潮時においても海面上に残る北小島、東小島の2島が存在し、周囲は直径約50mの護岸コンクリート(消波ブロックを含む)で防護されています。
沖ノ鳥島の基線を根拠とした排他的経済水域は、国土面積より大きい約42万㎢にも及びます。
画像出典:国土交通省関東地方整備局特定離島港湾事務所「沖ノ鳥島の風景」
(https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/ritou/okilandscape/map.html)
画像出典:国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所パンフレット
(https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000090712.pdf)
沖ノ鳥島は、急峻な海山の頂上に発達した環礁で、九州からパラオまで南北に連なる九州-パラオ海嶺の中央にあり、パラオ以外では唯一海面に達しています。
中新世以前に形成された火山島が水没して、その上に、約1,000㎞離れた小笠原諸島や沖縄から辿り着いたサンゴが1,500万年もの歳月をかけ、1,500m以上も堆積して造られました。
準卓礁に分類されるサンゴ礁で周辺部の浅い部分(礁嶺)と、内部の水深3~5mの部分(礁湖)からなります。
島の外側斜面は、急傾斜で、水深は4,000~7,000mに及び、断面は、富士山に似た形状となっています。
図表出典:東京都産業労働局ホームページ「地形」
(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/nourin/suisan/okinotorishima/about/)
沖ノ鳥島は日本で唯一北回帰線より南にある熱帯気候で、年平均の気温は26.8℃、海水温は27.7℃です。台風の発生する海域に近く、毎年多くの台風が通過します。
波の高さは、年平均で1.3m、台風などの最大時は16mを越える波が発生し、風速は年平均で6m/秒、台風接近時は50m/秒を越える値が記録されるなど、日本で最も厳しい海と言えます。
沖ノ鳥島周辺海域は、カツオやマグロなどの魚の産卵場や回遊経路に当たることが知られています。 また、海底には、石油の代替エネルギーとして期待されるメタンハイドレートや銅などを含むマンガン等の貴重な鉱物資源が存在するとも言われています。
スペイン船サンファン号が発見(諸説あり)
「沖ノ鳥島」と命名され、東京都小笠原支庁に編入
気象観測所と灯台の設置工事に着手(太平洋戦争勃発で中断)
アメリカの施政権下におかれる
小笠原諸島とともに日本に返還
海岸法に基づく海岸保全区域に指定
国による直轄工事の開始、護岸等の設置工事
「領海及び接続水域に関する法律」の改正、「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」が公布、
沖ノ鳥島周辺海域に排他的経済水域を設定
海岸法の改正、施行令に基づき、国による直轄管理区域として指定、
全額国費による直轄管理の開始
東小島に飛来物対策として防護工設置
「沖ノ鳥島灯台」の運用開始
北小島に飛来物対策として防護工を設置
「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律」が施行、
「特定離島」に指定
国による特定離島港湾施設整備の着工
新観測拠点施設の運用開始
※出典:国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所ホームページ
「これまでの沖ノ鳥島の保全」(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin00035.html)を基に東京都総務局作成