陸上のいきもの
南鳥島には、ユニークな生物相があり特に海鳥が知られています。2022(令和4)年の調査では、過去に乱獲や生息地破壊等により絶滅したヒメクロアジサシやシロアジサシの繁殖が120年ぶりに確認されました。
また、南鳥島内の一部区域は国指定鳥獣保護区に指定され、当該区域で繁殖する鳥類を保護しています。
それ以外にも、アカオネッタイチョウやセグロアジサシ、クロアジサシなども繁殖や営巣が確認されています。
アカオネッタイチョウ
学名:Phaethon rubricauda
分類:ネッタイチョウ目・ネッタイチョウ科・ネッタイチョウ属
インド洋・太平洋の熱帯・亜熱帯地域に分布し、日本では小笠原諸島、硫黄列島、南鳥島などで繁殖する。
全長90〜105cm(尾羽含む)で、体は白く中央尾羽2枚とくちばしが赤いほか、足は黒色で飛翔力が高い外洋性の海鳥。
魚類やイカ類を空中からダイビングして捕食し、集団繁殖地(ルーズコロニー)を形成して岩の隙間や木陰に1個の卵を産む。
セグロアジサシ
学名:Onychoprion fuscatus
分類:チドリ目・カモメ科・セグロアジサシ属
熱帯・亜熱帯の島しょや沿岸、日本では沖縄・小笠原諸島などで繁殖する。
体長約45cmで背中およびくちばしと燕尾型の長い尾が黒く、腹部は白い。幼鳥は黒褐色で白い斑点あり。
外洋で魚類やイカ類を捕食し、巣は作らず砂浜や岩礁に直接1個の卵を産む。
オスとメスが約27〜30日かけて交代で卵を温め、ふ化したヒナは「クレイシ」と呼ばれる集団の中で育てられる。
サキシマオカヤドカリ
学名:Coenobita perlatus
分類:十脚目・オカヤドカリ科・オカヤドカリ属
インド太平洋地域に生息する陸生のヤドカリで、日本では小笠原諸島で生息が確認されている。
真っ赤な全身に白い粒上の突起があるのが特徴で、体長は5~8cm。
繁殖期に海へ幼生を放ち、海中で生活した後に貝殻に入って陸へ上陸し、脱皮を繰り返しながら成長する。
サキシマオカヤドカリを含め、日本に生息するオカヤドカリはすべて国の天然記念物に指定されている。
ショウジョウソウ
学名:Euphorbia cyathophora
分類:キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ属
中米・南米原産、世界の熱帯・亜熱帯に帰化し日本では沖縄・小笠原諸島などに野生化。
草丈50cm〜1mの一年草で、花期に赤く色づく苞葉が特徴。
5〜11月に開花・結実し、種子は裂開して飛散し繁殖。
花は小さく目立たないが苞葉は観賞価値があり、園芸植物としても利用される。
グンバイヒルガオ
学名:Ipomoea pes-caprae
分類:ナス目・ヒルガオ科・サツマイモ属
世界の熱帯・亜熱帯の海岸、日本では九州南部〜沖縄、小笠原諸島などに生息。
種子は海水に浮き、海流で分布拡大し海岸の砂地に群落を形成する。
多年草で地面を這うように広がり、潮害・塩害に強いため砂浜の保護植物としても有用。
葉は軍配形(切れ込みのある円形)、花は薄紫色の漏斗状で直径は5〜6cm。
モンパノキ
学名:Heliotropium foertherianum
分類:ムラサキ目・ムラサキ科・キダチルリソウ属
東アフリカ〜アジア・オセアニア・太平洋諸島の海岸、日本では南西諸島・小笠原諸島に自生。海岸の砂地に生育し潮害・塩害に強い。
常緑の低木〜小高木(5〜10m)で葉は銀色の毛が密生しビロードのような手触り。
花は白色で小さく、果実は球形で黒く熟す。
葉汁は民間薬として利用されるほか、沖縄では潜水用の眼鏡(ミーカガン)の材料としても使われた。
海洋のいきもの
沖ノ鳥島・南鳥島周辺ではキンメダイ類が分布しています。
また、沖ノ鳥島周辺海域はカツオやマグロなどの魚の産卵場や回遊経路となっています。
アカマツカサ
学名:Myripristis berndti
分類:キンメダイ目・イットウダイ科・アカマツカサ属
小笠原諸島、琉球列島、南日本太平洋側、台湾南部、インド〜太平洋域のサンゴ礁に分布。
体長約25cm、赤色の体色と大きな目を持ち、下あごが突き出ている。
群れを作ることが多く、昼間は岩陰やサンゴの下に隠れ、夜間に甲殻類や小魚を捕食する夜行性の魚。
ハナミノカサゴ
学名:Pterois volitans
分類:目:スズキ目(カサゴ目とも)・フサカサゴ科・ミノカサゴ属
インド洋東部〜西太平洋、日本では紀伊半島以南の岩礁・サンゴ礁域、外来種として大西洋にも分布。
赤・白・茶のしま模様、扇状の胸びれと長い背鰭棘(せびれきょく)を持つ。背びれ・しりびれ・尾びれのトゲに毒があり、刺されると激痛を伴う。
夜行性で、昼は岩陰に潜み、夜に小魚や甲殻類を捕食。産卵は日没直前に行い、ゼラチン質の球状卵塊を形成する。
シテンチョウチョウウオ
学名:Chaetodon quadrimaculatus
分類:スズキ目・チョウチョウウオ科・チョウチョウウオ属
西・中部太平洋(ミクロネシア、ポリネシア)、日本では沖縄や小笠原諸島のサンゴ礁に分布。
体長約15〜16cm、体側に4つの白斑があるのが特徴。頭部に黒い帯、体上部は暗色。
主にサンゴのポリプを食べるが、底生動物も捕食。単独またはペアで行動し、潮通しの良いサンゴ礁に生息。
ワモンダコ
学名:Octopus cyanea
分類:八腕目・マダコ科・マダコ属
インド・西太平洋の熱帯域、日本では八丈島以南の太平洋側に分布。
体長は1m前後、褐色と白の雲状模様を持ち、腕膜に紫色の輪紋がある。擬態能力が高く、体色・体形を変化させる。
夜行性で岩礁やサンゴ礁に生息し甲殻類や魚類を捕食。メスは巣穴で産卵し、孵化まで卵を保護する。
ラクダガイ
学名:Lambis truncata sebae
分類:盤足目・ソデボラ科(スイショウガイ科)・サソリガイ属
九州南部以南から熱帯西太平洋沿岸域に分布。
殻長20cm以上、厚く硬い殻で外縁に7本の突起を持ち、殻口は白〜紫色。
サンゴ礁の砂地や岩礁に生息。藻類などを摂取する草食性で観賞用や食用として利用される。
トンプソンバタフライフィッシュ
学名:Hemitaurichthys thompsoni
分類:スズキ目・チョウチョウウオ科・カスミチョウチョウウオ属
西部太平洋、日本では小笠原諸島などに分布。ハワイやラナイ島で大群を形成することもある。
体長約18cm、体色は黒っぽく、スーツを着たように見えることから英名では「Businessman butterflyfish」と呼ばれる。
サンゴ礁外縁の中層で群れを作り、プランクトンを主食とする。